使用者は、「被害者を疎ましく思い加害者をかばう」姿勢だったが…
■解決年月:2017年4月 ■職種等:警備員 ■勤続年数:10ヵ月 ■男性 ■嘱託社員
使用者は警備会社で建物の設備管理と警備を入札で請負契約している。組合員は長年働いた会社を定年退職した後、再就職し警備員となった。
組合員は現場のリーダーにあたる20歳以上年下の「隊長」から蹴られる、手首を締め上げられるなどの暴行を受けた。隊長が組合員に業務指示をしたときの組合員のちょっとした言葉に腹を立て暴行に及んだものと思われた。
使用者は、本件について組合員に事情聴取したが、「ことを穏便に済ませたい」「被害者を疎ましく思い加害者をかばう」姿勢が顕著であった。
そこで、組合員は、ユニオンに相談し、会社に就業環境整備義務を履行し再発防止策、加害者に反省を促す措置を講じること等を要求して団体交渉を申し入れることとした。また、加害者の過去のパワハラ(勝手に組合員の労働時間を短縮したことや、脅し、暴言をメールで送る等)についての調査等も合わせて要求した。
団交を申し入れると、会社は速やかに団交に応じ、組合の主張を概ね認めた。
そこで、加害者と使用者の組合員への謝罪、暴行の慰謝料、過去の一方的な労働時間短縮による賃金減額分の遡及払い、加害者への社内規定に則った処分、再発防止策を講じることなどを合意し解決した。