雇い止めに理由は要らない?!

■解決年月:2010年3月 ■職種等:電話オペレーター/契約社員
■勤続年数:1年3ヶ月 ■女性

「自己アピールが足りない、仕事ぶりが目立たない」という理由で雇い止めを通知された。労働者は雇い止め理由書の発行を要求したが、退職届を提出しなければ交付しないと言われたため、やむなく退職届に署名した。労働者には、合意退職したとの認識はない上に、雇い止め理由に納得できないためユニオンに加入した。

団交で会社は、退職手続きに瑕疵はないと主張するばかりで労使の認識にはずれがあった。第1回団交の後、非公式に解決金の提示があったが、組合員の要求とかけ離れていたため拒否した。その後、会社担当者を交代させて折衝をもったが、最初の提示を下回ったため再度団交申し入れとした。ところが、団交では解決金の金額がさらに下回り決裂した。

交渉決裂後数回の抗議・早期解決の要請行動を実施するとともに街頭アピール行動を展開した。その後労働審判手続き(本人申立て)を行い、1回目の調停で和解した。

しかし、労働審判での裁判官及び審判員の発言には問題があった。「(雇い止めに理由は要らないのに)会社が雇い止め理由書を詳しく書いたがためにトラブルを誘発した」「審判の理由は法律で示さなくてもよいことになっている」「採用面接での長く働いてほしいとの発言は単なる挨拶」などの反動的な発言、及び「今日返事しないと会社を説得できない」と申立人に相談・検討する時間を与えない、等の姿勢は警戒しなければならない。