降格で33%賃金減額されたら生活できますか?
■解決年月:2011年4月 ■職種等:料理長
■勤続年数:4年 ■男性
シティホテルで宿泊客の夕食、パーティー、ランチ等の料理を任されてきた。
組合員は、部下から「会社が料理長を解雇するつもりだ」との情報を得ていたため、その対応をユニオンに相談していたところに、営業マネージャーから料理長を解任するので賃金を33%減額する、退職する場合は後任者にきちんと引継することを条件に会社都合退職扱いにする旨を通知された。理由は、主要な宿泊客である修学旅行生向けの料理を充実させるため新しい料理長を招き入れると説明された。
団体交渉を申し入れると、会社は、降格減給の通知と、退職を希望するならば会社都合退職扱いとする旨を2通り提示したのであり、解雇の意思も退職勧奨の意思もない、と回答した。降格する理由は、主要な宿泊客である学生やスポーツ団体から夕食に対するクレームが多発し夕食の売上が激減したことと説明したが、それまで組合員がクレームの具体的な内容を聞かされたり、改善策が話し合われたこともなかった。
団交での使用者の態度は、弁護士が作成した書面を読んで説明するばかりで、組合からの反論や質問に的確に答えることができず、論議はかみ合わなかった。降格の根拠、減額した金額の根拠もなく、労働条件は全て使用者の胸三寸で決められているのが明らかであった。
降格減給について争える余地は十分あったが、組合員が早期解決を希望していたため、未払い残業代を考慮した解決金の支払いで合意した。