体調不良に伴い、配置転換と降格、減給を命じられた

■解決年月:2021年12月 ■職種等:運転手 ■正社員■男性 ■勤続20年

使用者は、建物設備管理、下水処理施設の運営等の事業を営んでいる。組合員はトラック、トレーラーの運転手として勤務してきた。

組合員は脳出血を発症し右手足のしびれの症状が残った。そのため使用者は運転業務を外し当面の間、設備管理部門の補助業務を命じた。そして3ケ月の観察期間を設け、その間に体調が発症前の状態に戻らない場合は職務変更、賃金見直しするという内容の書面を交わした。

観察期間が満了したが、右手足のしびれの症状は相変わらずだった。使用者は、組合員に職務変更と降格及び賃下げを告知したが、賃下げ後の金額について具体的な明示がないため組合員は拒否した。すると、使用者は組合員に半年間の休職を命じた。しかし、組合員の体調は「労務不能」の状態ではないため、社会保険の傷病手当金は受給できず、無給で休職しなければならない状態に陥った。

組合は、使用者の休職命令は権利濫用と主張し、撤回しない場合は賃金補償することなどを求めて団交を申し入れた。

団交でも使用者は一切譲歩せず、団交は膠着し、抗議要請行動なども行った。

ところが、2ケ月後の再検査で組合員に新たな脳疾患が確認され、組合員は改めて病気療養することとなり、これ以降は傷病手当金を受給した。

4ケ月後体調回復し、団交を再開したが、使用者側は、当面の間、大幅に労働時間を短縮した「慣らし勤務」させる方針であったため、退職前提の解決に方針転換した。会社都合退職扱いとして規定退職金の上積み、残余の年次有給休暇分賃金の支払い等の内容で合意した。