使用者側の不誠実な交渉姿勢に救済申し立て
■解決年月:2017年8月 ■職種等:配達員及び作業員 ■男性 ■正社員 ■勤続3年
組合員の解雇問題で団体交渉を申し入れ(2016年5月)、1回目の団交で解雇は撤回された。しかし、職場復帰後の担当業務の変更による賃金の減額や嫌がらせの継続が予想されたため、職場復帰後の労働条件等について継続協議することとなった。
ところが、2回目の団交から代理人弁護士が出席するようになり、使用者役員が団交で発言することを禁止し、回答の根拠を説明しない、一度回答したらその後の質問に答えず「それなら裁判してください」「帰ってください」などの発言を繰り返し不誠実団交を行うようになった。そこで、組合は福岡県労働委員会に誠実団交の開催を求めるあっせん申請したが不調、打ち切りとなった。
その後、11月、再度団交を行ったが、使用者(代理人弁護士)の態度は相変わらずで、団交の途中で一方的に席を立ち団交を打ち切った。組合は、正当な理由のない団交拒否と判断し、2016年12月、福岡県労働委員会に救済申立を行った。
2017年8月、使用者側の団交姿勢が不誠実であり団交拒否にあたると認定され、組合に対する不当労働行為を行わないことの誓約書の交付、従業員食堂へのポストノーティスの掲示等を命じる命令書(写)が交付された。
使用者は、本件命令取消を求める行政訴訟を福岡地裁に提起したが、福岡地裁は使用者の訴えを棄却し、2017年8月の県労委労委命令は確定した。(2018年5月)