子どもの運動会を理由に休暇申請し、退職強要ののち解雇
■解決年月:2012年10月 ■職種等:事務/正社員
■勤続年数:5ヶ月 ■女性
従業員3人の小規模事業所(個人事業主)で働く、単身で子ども2人を養育中の女性からの相談。初めの相談は、ハローワークの求人票には「完全週休二日残業なし」と書いてあったので応募したところ、実際は月2回しか土曜日休みがなく、子どもの運動会を理由に休みを申請したところ「そんなに休むなら考えてもらわないと」と言われたのでどう対応したらいいか、という内容だった。週明けの来所相談を約束したところ、土曜日に会社から呼び出され、2時間余り退職を強要された挙句、月曜日の朝、最後の給料を押し付けられ、無理矢理帰社させられた後の来所相談となったため、労働条件の齟齬の相談から解雇の相談に転化した。
口頭での解雇通知だったので、使用者側が合意退職を主張することが予想された。そのため、出勤の意思表示をするよう組合員を説得し、組合員が使用者に架電、明日から出勤する旨を伝えたところ、「来なくていい。解雇通知を出すから。」との返事があり、解雇を争点とする団交申入れを組み立てることができた。加えて、土曜日の退職強要時の録音の翻訳、移動中の言葉によるセクハラの陳述書作成を指示した。後に発行された解雇通知書は「業務能力欠如のため試用期間満了による解雇」となっていたが、試用期間は過ぎており解雇権濫用は明らかであった。
会社代表者は団交には迅速に応じた。団交で、代表者は、労働者の業務能力や勤務態度を非難し解雇は正当と主張しセクハラも認めなかったが、組合員の詳細な退職強要の翻訳、セクハラの陳述書の存在を知り態度が一転、組合から和解案を提示することを確認した。
和解案は、休日数以外の求人票の虚偽記載の労働条件の補正(雇用保険遡及加入、交通費、給料不足分の遡及払い等)と解決金を提案したところ、代表者が全てを受け入れたためスピード解決した。