不当な即日解雇を撤回させ会社都合退職で合意

■解決年月:2013年6月 ■職種等:工員/正社員
■勤続年数:2年6ヶ月 ■男性

金箔や銀箔を紙に印刷する特殊印刷を業とする従業員5人未満の零細企業。業務ミスや不注意が多いという理由で即日解雇を通知された。

使用者が指摘する業務ミスについては、不良個所を現認していないものやミス発生の原因が特定されないものがあること、熟練を要する作業にもかかわらず未経験の組合員にきちんとした指導がされなかったこと、旧式の不具合の多い機械を使用していること、などを鑑みれば、ミスの責任を一方的に組合員に押し付け解雇されるのは納得がいかない。解雇権濫用と判断されたので、不当解雇の損害賠償を要求して団交を申し入れることとした。

別の問題として、求人票や就業規則で休日は第2土曜日と日、祝祭日としていたにもかかわらず、毎週土曜日を当然のように休業し、その日分の賃金を毎月控除して支払っていた。土曜日の休業について従業員に何らの説明も行われたことはなかった。過去2年遡り控除された賃金を返還することも合せて要求した。

団交には社労士が同席し速やかに応じた。会社は、土曜日休み分の賃金については、労基法26条に基づく休業手当(使用者の責に帰すべき休業の場合、使用者は平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない)の遡及払いを回答した。解雇については、業務ミスの具体例を書面で提出し、解雇は正当と主張した。

組合は、解雇権濫用法理や話し合いによる解決の意義等について粘り強く説得したところ、使用者が組合員に謝罪し、解雇を撤回し会社都合退職とすること及び解決金の支払いを回答したため、合意した。