固定残業代で定めた労働時間を超えた残業時間の残業代の未払い

■解決年月:2018年12月 ■職種等:CADオペレーター ■男性 ■正社員 ■勤続2年6ヵ月年

使用者は、アルミ・スチール製品製造業、従業員数100名。組合員が入社した当時の賃金は月平均、基本給152,000円、研修手当(45時間分の固定残業代との説明有り)50,000円だった。時間外労働は月平均80時間程度あったが、研修手当の他に残業代は全く支払われていなかった。ところが1年後給与体系が変り、基本給が13万円台に下がり、9万円の「業務手当」を新設、研修手当が廃止された。就業規則は開示されておらず、手当の改廃についての説明はなかった。相変わらず残業代は支払われなかった。

組合員は長時間労働による過労から体調を崩し主治医から労働時間を短縮するよう診断されていた。

入社時の基本給152,000円を基礎に残業代を計算し、月45時間を超えた時間分の残業代請求及び体調に配慮し当面の間残業時間を月50時間以下にすることを要求して団交を申し入れた。

団交では、組合の請求を満額支払、残業時間も短縮することが回答された。ところが、その後、9万円の業務手当は月80時間程度の残業が見込まれる者にしか支払わない、とし、組合員の業務手当を5万円に減額した。当初の団交では、全く説明されなかったことであり、業務手当の減額には同意しない、として改めて団体交渉を申し入れた。

団交で、労使の主張は激しく対立したが、入社時に合意した賃金水準より下回らないことを最低条件にすることとし、基本給を13万円台、業務手当7万円を45時間分の固定残業代とする譲歩案を提案したところ、使用者が受け入れたため合意した。