月100~150時間程度の時間外労働が常態化

■解決年月:2018年11月 ■職種等:営業職 ■男性 ■正社員 ■勤続1年

使用者は、飲食店向けの野菜果物の卸売業、従業員数380名。組合員は営業及び配達を担当していた。

朝5時前から夜8時頃まで働き月100~150時間程度の時間外労働が常態化していた。使用者はタイムカード等による時間管理を全く行っておらず、月11.5時間分の固定残業代制度を敷き、それを超える残業代を支払っていなかった。

組合員は、出退勤時に会社の電話機に表示される時刻の写真を取り、業務遂行を記録するなどして時間外労働の証拠を確保した。組合員が確保した証拠を基に労働時間を計算し未払い残業代を請求した。

団交で使用者は、営業で成果を上げない人に残業代など払えない、故意に労働時間が長くなるようにしていた、などと根拠のない主張を繰り返し組合員の請求額を大きく下回る金額しか回答しなかった。

協議の途中で使用者が一方的に団交を打ち切ってきたため、団交応諾を迫る門前行動を複数回行ったのち、団交拒否について福岡県労働委員会に救済を申し立てた。

労働委員会の調査において、使用者より団交中の回答を大きく上回る解決金の支払が提案されたため、和解し、救済申立を取り下げた。