パソコンの切り忘れでの減給をとり消させる

■解決年月:2013年9月 ■職種等:歯科衛生士/正社員
■勤続年数:2~3年 
■女性

個人経営の歯科医院。パソコンの電源切り忘れを理由に制裁として2万円~1万円減給されたこと、その直後に支給された夏季賞与の額が2万円~1万円の低額であったこと、プライベートの喫煙に対し「罰」と称して一人だけ30分の早出を命じられていること、休日の出張に対する賃金不払い、夜10時ころまで残しての叱責等の問題について相談を受けた。

ヒアリングを進めると、賞与支給額算定の評価項目に有休を消化しなかった場合の加算規定や、就業規則に賞与支給後3ヶ月以内に退職した場合は賞与の返還を求める、等違法な規定や専横的な労務管理の実態が浮かび上がり、21項目の要求事項をまとめ団交申し入れすることとなった。

制裁の減給の取消、早出出勤命令の解除及び過去の早出分の遡及払い、休日出張に対する賃金の支払い、違法な就業規則の変更等については合意、パワハラについても院長が謝罪し、夏季賞与についての要求だけが残った。

賞与については、就業規則に「職員の能力、勤務成績に応じた人事評価制度のもと、年2回(夏と冬)、所定賃金1ヶ月ずつ計2ヶ月分を支給する。好業績の場合は加算し、著しい業績低下等の場合支給しないことがある。」と定めていた。しかし、実際に、人事評価制度は存在せず、院長が半期ごとに売上目標や支給基準を任意に決定、減額して支払っていた。院長は、労働者らもその運用について同意、納得していたとし、是正に応じなかったが、組合は原則を貫き就業規則通りの支給を要求し続けた。

最終的に、夏季賞与については所定賃金1ヶ月分を支払う、今後は年間2ヶ月分を基本とするが人事評価制度を導入することを条件に合意した。