「就業制限あり」の健診結果で契約解除通知

■解決年月:2015年7月 ■職種等:運転手
■勤続年数:3
年6ヶ月  ■ 男

使用者は幼稚園の園児の送迎業務を請け負っており、送迎業務に従事する者(バス運転手)と1年の業務委託契約を結んでいる。

組合員は1年半前心疾患を発症し約1ヶ月の休業後職場復帰していた。本年度の委託契約を更新した2ヶ月後の健康診断で夜間の就業と8時間超の労働を禁止する「就業制限あり」の結果が出た。その直後、使用者は、健康診断の結果が「就業制限あり」であったこと等を理由に1ヶ月後の契約解除を通知した。

組合員の労働実態として、夜間の労働はなく、1日の労働時間も8時間以内であるので、組合員への就業制限は実際の労働に関係するものではなかった。また、業遂行状況も使用者の指揮命令下で働いており、実態からすれば労働契約と同視できるものであった。本契約中途解除に合理的な理由はないものと判断し、契約解除通知を撤回し契約を継続することを要求した。また、業務委託契約書に記載のない業務を長年させられていたため、その業務遂行にかかる賃金の支払を要求した。

使用者は、就業制限の内容にかかわらず、一旦「就業制限」がなされた者の契約は即時解除するよう内規で決めていると主張し、契約解除は正当と主張した。契約外の業務についても口頭による合意が成立していたと主張した。

組合は、会社の主張する契約解除事由、業務の範囲についての労使合意や書面は存在せず、会社の主張は当を得ないと反論し議論は平行線であったが、双方歩み寄り、業務委託契約の合意解約他の解決条件で合意した。