事業縮小・閉鎖を理由に準社員及びパート全員に解雇予告

■解決年月:2006年4月 ■職種等:受付業務/準社員
■勤続年数:4~7年 ■女性

事業縮小・閉鎖を理由に準社員(1年雇用契約)及びパート全員に解雇予告した。退職条件は残余の年休を取得しない者には、冬季賞与プラスアルファー(約25万円)の退職慰労金を支払うと説明した。準社員らは、(1)3ヶ月の賃金補償、(2)賞与支払(解雇日の2日後支給予定)、(3)年休完全消化を要求した。しかし、会社は拒否したため、ユニオンに相談し、結果的に2名が加入した。
団交では、会社代理人が出席、親会社の施策であり変更できないことを理由に組合の要求を拒否した。そのため、福岡地裁に地位保全等の仮処分申請をおこなった。
福岡地裁での協議は、金銭解決での和解が合意したかの状況であったが、会社が前回の審尋の姿勢を翻した。裁判所の熱心な説得も拒否したため、裁判所の判断(決定)を待つこととなった。
裁判所は、会社の主張する、(1)民法628条の「やむを得ない事由」にあたり、(2)準社員らの解雇は合理性があり、整理解雇の4要件を充足するものである、を退け、解雇は権利濫用であり、違法無効であるとの組合の主張を全面的に認めた。また、希望退職募集を実施していないことは解雇回避努力義務(整理解雇4要件の一つ)を果たしていないと判断した。そして、会社に本案(一審)判決までの賃金仮払いを命じた。
組合は、仮処分決定の解雇無効の決定を受けて、決定内容の履行及び謝罪を求める団交申し入れを行い、団交を行った。会社は、賃金の仮払いには応じたものの、仮処分決定を不服として異議申し立てを行った。そのため、組合員は、本裁判を提起した。
異議申し立ての裁判で、仮処分で裁判所が提示した内容に上積みして和解が成立した。