「空気が読めず業務に不適格」と雇い止め通知

■解決年月:2012年3月 ■職種等:コールセンター現場監督者/契約社員
■勤続年数:9年 ■女性

各社の電話対応業務を請負うコールセンターの現場管理者(業務の進捗管理やオペレーターの労務管理、クレーム処理等を行う。呼称はスーパーバイザー(略称:SV))。一般オペレーターとして入社し、半年契約を更新しながら、SVに昇格し勤続9年に至っていた。

労働者が一般オペレーターから引継いだクレーム電話の対応が「空気を読めなかった、SVとして不適格」として雇止めを通知した。クレーム発生後すぐは、1ヶ月間のロールプレイング教育の後、業務に復帰させることになっていたが、受託先会社の意向(担当を外してほしい)が強く影響して、雇い止めが決定したと推認された。

問題の電話対応は、クレームマニュアルを忠実に遂行したにもかかわらず、「空気を読めない」との抽象的かつ主観的な判断は雇止め理由として不適当であるということ、また、受託先会社の意向をそのまま受け入れ、労働者にのみ犠牲を強いて雇用責任を放棄する会社の姿勢を正すことという2本柱で、雇止めの撤回と継続勤務を要求して団交を申し入れた。

団交で会社は、当初の雇止め理由の他に、職場の人間関係において他の社員からクレームが上がっている、上司に対する態度が悪い等の理由を後付してきた。そして、職場の対人関係等について改善するという「念書」を書くことを条件に、契約更新を提案した。

組合員にとっては、他者からのクレームは初めて聞く話であり、ましてや、会社から指導されたこともなかったので、これらについての「念書」を書くことは拒否した。

「念書」問題は留保したまま、担当会社のみ変更して従前の労働条件を引継ぐ契約内容が提示されたので契約更新手続きを行った。